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Essay 北の街のシネマ放浪記・その2 ~シアターキノで『恋は命がけ』『僕の妻のすべて』を見る

Text by hebaragi
2013/8/21掲載



 この季節に初めて札幌を訪れた人の多くが、その暑さに驚く。涼しいどころか真夏日も珍しくない。涼を求める人々が大通公園や札幌駅前、そしてビール会社直営の野外ビアガーデンに大挙して訪れるのは短い夏の風物詩だ。暑い夏の隠れたおすすめスポットが映画館。クーラーの効いた快適な劇場で映画を見た後、ビールでも飲みながら映画の話に花を咲かせるのも楽しい。


ミニシアターの聖地「シアターキノ」


 シアターキノは、札幌中心部の老舗アーケード街・狸小路にある。狸小路はかつて札幌随一の映画街であり、10スクリーンを超える劇場が軒を連ねていた。その後、シネコンの相次ぐ進出により唯一の常設館となったシアターキノは、1992年に29席の「日本一小さな映画館」としてオープンした後、1998年に現在の地に移転し、2スクリーン体制でリニューアルオープンした。現在、国内外の秀作が常時5~10本程度上映されており、映画人を招聘しての企画上映も多い。名実ともに北海道を代表するミニシアターであり、札幌市内はもとより道内各地からの来場者も多く、ロビーは次の上映を待つたくさんのお客様でにぎわっている。

theaterkino1.jpg
シアターキノの上映作案内板

 リピーターが多いのも当館の特徴で、年間10作品まで無料で見られるヴィンテージ会員も多い。隣接する「kino cafe」では軽食をとることができ、劇場と共通のポイントカードでポイントを貯めると無料鑑賞券にもなる。幕間のわずかな時間に食事をしているとき、次に見る作品の整理券をテーブルに置いておくと、劇場スタッフがカフェに現れ、「○○をご覧のお客様はまもなくご入場となります」などとアナウンスしてくれるきめ細かなサービスも嬉しい。客席は傾斜が緩くなっており、ゆったりと映画を楽しむことができる。また、シアターキノは以前から韓国映画の紹介に力を入れており、イム・グォンテク、ホ・ジノ、ホン・サンス、キム・ギドク、パク・チャヌクといった監督の作品を積極的に紹介してきたことは特筆すべき点といえる。

 今回は「韓国映画特集」で2本の作品を見た。

 『恋は命がけ』は、ソウルで公開初日に見てから1年あまりでの再見。ホラー・ラブコメという宣伝コピーとは裏腹に怖いシーンは少ない(あくまでもホラーに抵抗感の少ない筆者の印象だが)。ポップなBGMに載せて軽快なテンポで展開するストーリーは、楽しいロマンティック・コメディそのものだ。とりわけ、霊感を持つミステリアスな女性ヨリを演じるソン・イェジンの変幻自在の表情が印象的で、普通の女性のようにコロコロと笑ったり、はにかんだりする表情も新鮮に感じられる。また、彼女にとっては初めてと思われる、かわいらしい酔っぱらい姿やバッティングセンターでの華麗なフォーム、そしてレアな制服姿も見どころだろう。一方、ヨリとの関わりを通じて数々の不可解な体験に見舞われ、戸惑いつつも彼女に惹かれていくマジシャン、ジョグを演じるイ・ミンギのクールな演技や、ヨリの親友たちのユニークなキャラクターも楽しい。ヨリの悲しい過去にまつわる回想シーンもあるが、全体としてはハートウォーミングな印象が強く、ラブコメディの新たなジャンルともいえる試みはひとまず成功したといえるのではないだろうか。ちなみに、原題『오싹한 연애』を直訳すると『不気味な恋愛』、『ゾッとした恋愛』、『身ぶるいするような恋愛』となる。今回、改めて作品を見直してみて、邦題『恋は命がけ』も絶妙なネーミングに感じられた。

 『僕の妻のすべて』はイム・スジョン主演のラブコメディ。結婚前には分からなかった妻ジョンインの正体に翻弄される夫ドゥヒョンが、妻と別れるため、伝説のカサノバ、ソンギに妻を誘惑させる…。ふたりの出会いは地震が起こった日の名古屋という設定で、日本語の会話も登場する。イム・スジョン演じるジョンインが、誰に対しても自分の意見をはっきり主張するドラマ「斉藤さん」の主人公のようなキャラクターを生かして「毒舌DJ」としてマシンガントークを炸裂させるのが楽しい。また、今回のイム・スジョンは強気なだけでなく、少女のようなしぐさや妖艶な大人の女性の表情も見せてくれるなど、女優としての演技の幅を着実に広げている。独特の透明感から、今まではしっとりとしたラブストーリーへの出演が多かったが、新たな一面を見せてくれたといえるだろう。さらに、妻との関係に悩む夫を演じるイ・ソンギュンのコミカルな葛藤ぶりや、カサノバを演じるリュ・スンリョンの破天荒ながらも憎めないキャラクターがストーリーに厚みを与え、魅力あふれる大人のラブコメディに仕上がった。ラスト近く、家を出るために荷物をまとめようとするジョンインをドゥヒョンが手伝うシーンは『愛してる、愛してない』を彷彿とさせるが、かなり違う印象になっている点も興味深い。

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シアターキノがあるアーケード街・狸小路


Writer's Note
 hebaragi。シアターキノ周辺の商店街には飲食店、とりわけ様々な外国料理を楽しめる店が多く、アフターシネマのスポットには困らない。商店街の多国籍な雰囲気が、劇場で上映される作品の地域的多様性を反映しているようで興味深い。


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