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Review 『3人のアンヌ』 ~もどかしいから恋も人生も楽しい

Text by Kachi
2013/6/11掲載



 「I'll protect you !(あなたを守ります!)」。お調子者のライフガードがそうアンヌを口説くと、試写室は笑いに包まれた。ホン・サンス作品の恋愛を謳歌する男女は、新作でも生き生きとしていた。

3annes.jpg

 『3人のアンヌ』は、アンヌという3人のフランス人女性(イザベル・ユペールの1人3役)が海辺の街・茅項(モハン)を舞台に繰り広げる恋物語を、脚本家ウォンジュ(チョン・ユミ)が借金取りから母と逃げた先で気晴らしに書いている、という入れ子構造の映画だ。ホン・サンス監督の持ち味は、登場人物たちが偶然の出会いを反復したり、すれ違ったりすることで起きる反応の面白さだが、さらに本作の劇中劇は、独立したストーリーでありつつ枠を越えてニアミスし、絡みあって絶妙な化学変化を起こしている。映画監督、お金持ちの妻、夫を韓国人女性に略奪された女性と、少しずつ違う3人のアンヌへアプローチする男たちは、相変わらず身のこなしが軽い。同じようなセリフで愛をささやく彼らを、アンヌはしなやかに受け入れたかと思えば、するりとかわしていく。そのスマートさが好ましい。

 イザベル・ユペールが醸す上品な色気が良い。ライフガード(ユ・ジュンサン)が愛の歌を即興で彼女に捧げたり、映画監督のジョンス(クォン・ヘヒョ)が隙あらば唇を近づけたり、男と会話しただけで不倫相手のスー(ムン・ソングン)が嫉妬するのも、このチャーミングさなら仕方なしといったところだ。ユ・ジュンサンは、『よく知りもしないくせに』(2009)の出演から数えて監督とは4本目のタッグというのが意外に思えるほど、独特の軽みを体現してすっかりホン・サンス作品に馴染んでいる。チョン・ユミは『トガニ 幼き瞳の告発』(2011)での凛々しい役が印象的だが、ホン・サンスに出会ってさらに新しい魅力を放ち始めた。『教授とわたし、そして映画』(2010)での、2人の男を手玉にとる魔性ぶり、そして本作のウォンジュは、夏のビーチの開放感も手伝って実にコケティッシュで、めまいがするほど眩しかった。

 自ら「なかなか幸せになれないもどかしさを私たちは誰しも感じている」と語るように、ホン・サンスの作品にはいつも、思い通りにいかない恋と、泣き笑いの人生が描き出されている。にもかかわらず、どれも楽しくなる作品ばかりで、見た後は不思議に満ち足りた気持ちになる。『3人のアンヌ』も、ラストでアンヌが着ていたワンピースの深い緑色とともに、いつまでも余韻が消えなかった。


『3人のアンヌ』
 原題 다른나라에서 英題 In Another Country 韓国公開 2012年
 監督 ホン・サンス 出演 イザベル・ユペール、ユ・ジュンサン、チョン・ユミ
 2013年6月15日(土)より、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
 公式サイト http://bitters.co.jp/3anne/

Writer's Note
 Kachi。シネマコリアでの私の執筆活動も、6月で一年です。韓国映画をもっと皆さんに見ていただけるよう、これからも精進致します。


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