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Review 5月のオススメ韓国映画 ~世宗大王の即位秘話と、誰もが青春を思い出す初恋物語

Text by Kachi
2013/5/14掲載



 新緑のまぶしさにエネルギー満ちる季節。でもゴールデンウィークを過ぎると、憂うつで心身ともにしぼんでいる人も多いのではないだろうか。そこで、今月公開される韓国映画から、ちょっとだけ頑張る力を与えてくれる2作品をご紹介したい。


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『私は王である!』

 ハングル制定など数々の偉業を残した、韓国史上最も優れた国王、世宗(セジョン)大王。だが、もし彼が王位を望まなかったとしたら…。『私は王である!』は、史実に残っていない世宗大王即位までの3ヶ月を、チャン・ギュソン監督がそんなイマジネーションで生み出したコメディだ。王位を継ぎたくない若き王子、忠寧(チュンニョン)がひょんなことから自分そっくりの奴婢ドクチルと入れ替わり、宮殿と庶民を巻き込んだ一騒動を繰り広げる。

 ともすればドタバタな展開に終始しそうなところだが、護衛のヘグ(イム・ウォニ)とファング(キム・スロ)のでこぼこコンビら、どこか抜けた登場人物たちの絶妙な間合いで物語がテンポ良く進み、退屈させない。

 ドクチルと貴族の娘スヨン(イ・ハニ)の身分を越えたロマンスなど内容は盛りだくさんだが、筆者の胸を熱くしたのは、チュ・ジフン演じる紆余曲折を経た忠寧と、ピョン・ヒボン扮する悪徳官吏との対決だ。兵役から復帰し、王子と奴婢の一人二役に挑んだ若手とベテランの演技対決に重なり、チュ・ジフンが役柄とともに成長していくように見えたのだ。

 温室育ちの三男坊から、他人の痛みが分かる偉大な君主に成長していく忠寧を応援したくなり、口より手が早いがどこか憎めないドクチルの立ち回りに痛快な気分にさせられる。


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『建築学概論』

 イ・ヨンジュ監督『建築学概論』。15年の時を経て再会したスンミン(現在:オム・テウン、過去:イ・ジェフン)とソヨン(現在:ハン・ガイン、過去:スジ)がたどる初恋の思い出に、人生を映す鏡としての「家」の存在を巧みに織り込んだ、韓国で400万人以上を動員した注目作だ。

 90年代をリアルに再現したファッションもさることながら、世代を問わず心の琴線に触れる演出が細部にまでなされている。実家の至る所に残る青春の日々の面影、大人になって再会した初恋の人に対する強がり、まだ恋愛は手探りな頃の妄想、ほんの少しの誤解で自ら壊してしまった初恋のもろさ…。この映画には、誰しもが共鳴できるシーンがみつかるだろう。

 韓国公開時には「これは自分たちの映画だ」と世の男性を大いに泣かせたという。しかし、「男性の恋は名前を付けて保存、女性は上書き保存」の格言とは裏腹に、実は「女性も恋を引きずる」という女心を見抜いた監督の慧眼に恐れ入る。交錯するスンミンとソヨンの今と昔に観客それぞれの経験が重なり、辛さと痛み、懐かしさと嬉しさが胸に広がる。そこに男女の別はない。柔らかで優しい映像美とともに伝わってくる「過去をみつめてこそ前に進める」というメッセージは、世代も性別も国籍も越えて、見る者の背中を押してくれる。

 ノスタルジックな気分に浸りつつ、若く青い日々を乗り越えていく主人公たちに自分を重ねてみる。見終わった後、きっと少しだけ前向きな気分になっているはずだ。


『私は王である!』
 原題 나는 왕이로소이다 英題 I am the King 韓国公開 2012年
 監督 チャン・ギュソン 出演 チュ・ジフン、ペク・ユンシク、ピョン・ヒボン
 2013年5月11日(土)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
 公式サイト http://oudearu.com/

『建築学概論』
 原題 건축학개론 英題 Architecture 101 韓国公開 2012年
 監督 イ・ヨンジュ 出演 オム・テウン、ハン・ガイン、イ・ジェフン、スジ
 2013年5月18日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
 公式サイト http://www.kenchikumovie.com/

Writer's Note
 Kachi。映画に出てくる香港マフィアと韓国マフィアはどちらが強いのか?と妄想中です。拳銃の扱いは前者が長けていそうですが、『哀しき獣』のキム・ユンソクなら、牛骨一本でも勝てそうに思えます。


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