News 今年も満開の「花開くコリア・アニメーション2013」、4/20より東京・大阪・名古屋で順次開催!
Text by 加藤知恵
2013/4/7掲載
今年で6回目を迎える「花開くコリア・アニメーション2013」が、今月以降、東京・大阪・名古屋の3会場で開催される。

花開くコリア・アニメーション2013のチラシ
「花開くコリア・アニメーション(通称、花コリ)」は、韓国のインディーズ・アニメーション映画祭「インディ・アニフェスト」のノミネート作品の中から選りすぐりの短編や、話題の長編を紹介する、日本で唯一の韓国アニメーション専門映画祭だ。作品の上映だけでなく、会場ごとに異なるゲストを招いたトークやワークショップが企画され、作家と直接交流することもできる貴重なイベントである。
今年の上映作は短編28本と長編1本の29作品。短編は、家族愛や恋愛を素材にしているAプロ「恋?愛!サラン!!」、バラエティ豊かな視点の作品が集まるBプロ「世界は万華鏡」、動物愛護や労働運動など社会問題が中心のCプロ「心の扉をノック」という、3つのテーマに沿って紹介される。各作家が水彩画やCG、ストップモーションなど得意の手法を用いて韓国社会の現在の姿を生き生きと描き出しており、似たような作品は一つもない。毎年参加している常連の方にとっては、過去のゲストやお気に入りの監督の新作をチェックできることも楽しみではないだろうか。また近年韓国アニメーションは国際映画祭でも評価を高めており、今年は短編『Dust Kid』でカンヌ国際映画祭に進出したチョン・ユミ監督の新作『Love games/恋愛ごっこ』や、ワルシャワ国際映画祭アニメーション部門最優秀賞を受賞したキム・ジンマン監督の『Noodle Fish/でこぼこ魚』が短編ラインナップの目玉となっている。

『Noodle Fish/でこぼこ魚』
そして今年の長編は、韓国映画ファンも気になるあの作品だ。2011年の釜山国際映画祭で3冠を達成し、翌年のカンヌ国際映画祭に韓国長編アニメーションとして初めて招待された、ヨン・サンホ監督の『豚の王』。1992年の中学校を舞台にアニメーションならではの容赦ない暴力描写を用い、階級社会に対する批判を描いた本作は、カンヌでも観客から好評を得た。『息もできない』のヤン・イクチュンとキム・コッビが声優として出演している点にも注目だ。
各会場のゲストとイベントも例年以上に充実している。東京会場では『Noodle Fish/でこぼこ魚』のキム・ジンマン監督を招き、彼独自の作風である“麺アニメーション”について熱く語っていただく。日本の気鋭のアニメーション作家、水江未来氏との対談も見逃せない。大阪会場では、アニメーション作家で映画祭の役員も務めるイ・ギョンファ監督がゲスト。大阪を拠点に活動する映像制作・上映グループ「PEAS」と共同でワークショップやトークイベントが開かれる。名古屋会場でもストップモーションのアニメーション作家として活躍するチョン・ミニョン監督が来日し、ワークショップとトークを盛り上げてくれる予定だ。
更に名古屋では4月13日(土)にプレイベント「みんなの観客賞&ここだけの先行座談会スペシャル」がシアターカフェで開催され、去年の上映作のうち人気の高かったベスト3作品の上映と、1位『ハトは飛ばない』のユン・イグォン監督との対話、「インディ・アニフェスト2012」の参加レポートなどが行われる。去年の復習と今年の予習を兼ねて、こちらにもぜひご参加を。
花開くコリア・アニメーション2013
プレイベント:2013年4月13日(土)@シアターカフェ(名古屋市大須)
東京会場:2013年4月20日(土)~4月21日(日)@アップリンク・ファクトリー
大阪会場:2013年5月11日(土)~5月16日(木)@PLANET+1
名古屋会場:2013年5月18日(土)~5月19日(日)@愛知芸術文化センター
公式サイト http://anikr.com/
特集 花開くコリア・アニメーション2013
News 今年も満開の「花開くコリア・アニメーション2013」、4/20より東京・大阪・名古屋で順次開催!
Review 『豚の王』 ~花コリ史上最大の話題作、その魅力とは?
Writer's Note
加藤知恵。「花コリ」名古屋会場スタッフ。今年はチラシの紹介文執筆や長編の字幕翻訳を担当。長編はもちろん、短編もすべて魅力的な作品ばかりですが、個人的なお気に入りは、ロボットと蝶々の友情を描いた『Bleach』(チョン・ギュヒョン監督、Bプロ「世界は万華鏡」で上映)でしょうか。切ないストーリーに心を打たれます。
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