News 名古屋で特集上映「杉野希妃という女性(ひと)」開催! ~アテンドから垣間見える杉野さんの素顔
Text by 加藤知恵
2013/4/4掲載
4月20日(土)より、名古屋市大須のシアターカフェにて特集上映「杉野希妃という女性(ひと)」が開催される。

特集上映のチラシ(画像をクリックすると印刷用のJPEGファイルが別ウィンドウで開きます)
杉野希妃さんといえば、女優・プロデューサーとして国内外で高い評価を得ている若きスーパーウーマン。震災・放射能を素材にした『おだやかな日常』は現在全国で好評上映中で、3月に開催された第5回沖縄国際映画祭では、クリエイターズ・ファクトリー最優秀ニュークリエイター賞と女優賞をダブル受賞した。また、『歓待』の深田晃司監督と再度タッグを組んだ、二階堂ふみ主演の『ほとりの朔子』も年内に公開を控えるなど、その注目は高まるばかりだ。
2月末、『おだやかな日常』の公開初日舞台挨拶と特集上映のプロモーションを兼ねて、ご本人が来名された。意外にも彼女のプロデュース作品が名古屋で公開されるのはこれが初めてであり、名古屋を訪れるのも『クリアネス』のプロモーション以来、実に5年ぶりとのこと。
その彼女の素顔はというと、名古屋駅に到着早々「ツイッター用の写真を撮らせて下さい」という唐突なお願いにも、嫌な顔一つせず完璧なポージングで応えて下さる気さくな女優さん。そして「2年前にお会いしてますよね」と、以前に少し挨拶を交わした程度のスタッフのことも気にかけて下さる、何とも細やかな方だ。これまでの活躍の経緯について「出会いが出会いを呼んだ」と語られるように、人と人との繋がりを大事にされている彼女の本質が伝わってくる。
シアターカフェへご案内する道中では、大須観音のデザインに興味を持って参拝されたり、商店街で梅味の「ういろう」に興奮されたりと、好奇心旺盛で天真爛漫な姿がとても可愛らしかった。しかし実はどんな場面でも、常に映画の素材にならないかという目線でアンテナを張っていらっしゃるのだと気付き、さすがプロデューサーだと納得させられた。普段から「和エンタテインメント」を共同で運営する小野光輔プロデューサーと、映画に限らず美術や音楽も頻繁に鑑賞されるそうだ。「映画人は映画界の中だけで交流していてはいけない」とのコメントを聞いた直後、シアターカフェで個展が開催中だったアーティスト Natsuko Poe さんのイラストに一目ぼれした杉野さんは、まさにその日のうちにコラボレーションの話をまとめ上げていた。
一年のうち4分の1は、国内外の映画祭や撮影・プロデュースの仕事で各地を飛び回る多忙な毎日であり、完全にオフといえる日は存在しないとのこと。映画に対するひたむきな情熱や、ご本人の気さくで自然体な人柄に触れると、出会った人は皆自然と彼女に協力し、応援したくなってしまう。
そんな魅力的な女性(ひと)、杉野希妃さんの作品を、名古屋で初めて一挙に紹介するのが今回の特集上映だ。上映作品は、女優デビュー作である『宝島』(オムニバス『まぶしい一日』より)のほか、主演兼プロデュース作のうち『避けられる事』『マジック&ロス』『大阪のうさぎたち』の4本。
「アジア・インディーズのミューズ」の称号にふさわしく、『宝島』(キム・ソンホ)と『大阪のうさぎたち』(イム・テヒョン)は韓国、『避けられる事』(エドモンド・ヨウ)と『マジック&ロス』(リム・カーワイ)はマレーシアと、全て海外の監督とのコラボレーション作品。ご本人も「世界中どこを探してもこんなヘンな作品はない」と太鼓判を押すように、国籍や言語、ジャンルを超えた独自の世界観を持つ怪作(?)が勢揃いしている。また、ヤン・イクチュンやキム・コッビ(『マジック&ロス』)、篠原ともえ(『避けられる事』)など、豪華共演陣の意外な演技も見どころの一つ。
『歓待』や『おだやかな日常』で社会派のイメージが定着しつつある彼女だが、「ボーダーレスな表現者」の真価を発揮した今回の4作品も、映画ファンにとっては必見だ。アジアの実力派監督が作り出す映像美の中で彼女が放つ、強烈な存在感と不思議な空気感をぜひ味わっていただきたい。
特集上映「杉野希妃という女性(ひと)」
期間:2013年4月20日(土)~4月26日(金)、5月1日(水)~5月6日(月・祝) ※ 火曜定休
会場:シアターカフェ(名古屋市大須)
公式サイト http://www.theatercafe.jp/
Writer's Note
加藤知恵。杉野さんのバイタリティーの源は、どうやら食にあるようだ。華麗な外見とは裏腹に、世界で一番好きな食べ物は「ホルモン」。そして他の共演者や監督からも引かれる(?)くらいに量もたくさん食べるのだとか。今回も名古屋名物「ひつまぶし」を気持ちよく完食される姿が好印象でした。
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