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Review 『道 ~白磁の人~』

Text by mame
2012/6/20掲載



 朝鮮白磁を初めて見たとき、まずはその滑らかな白さに心を奪われた。それでいて朝鮮の人々が普段使いに愛用したというのもうなずける、ふしぎな親しみやすさを持っている。そんな白磁のような人と称されたのが、この映画の主人公である浅川巧だ。巧は朝鮮民芸の研究家である浅川伯教の弟だが、日本でその名を知っている者はほとんどいないのではないだろうか。

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 林業を志す若者だった巧(吉沢悠)は、1914年、日本統治下にある朝鮮に兄一家を頼ってやってくる。そこで彼を待っていたのは、度重なる戦火によって荒れ果てた朝鮮の山々。“朝鮮の山に緑を戻す”という強い決心を胸に、林業試験所で働き始めた巧はチョンリム(ペ・スビン)という朝鮮人の若者と出会う。日本語での会話が義務付けられている職場で、巧はチョンリムから朝鮮語を習い、苗木を共に育て、朝鮮の山に緑を戻すという夢を共有する。

   「ありがとうという言葉も知らないなんて、恥ずかしい」

   「人間に、以下も以上もあるものか!」

 なんとかして朝鮮人と心を通わそうとする巧の言葉は心に残る。それに対してチョンリムは、

   「朝鮮人の服を着れば、朝鮮人になれるとでも思っているのか」

   「貴方は何もわかっていない。皆が貴方に優しいのは貴方が日本人だからだ」

と憤る。巧が思っているよりも日本人と朝鮮人の間に広がる溝は深く、度重なる日本政府の弾圧により、朝鮮人の反日感情は日増しに高まっていく…。

 浅川巧という実在の人物がなしえた功績は、のちに朝鮮民芸を広く世に知らしめた柳宗悦に比べると小さいかもしれない。しかし、朝鮮の山々に緑が還る日を夢見て、木を植え続けた日本人がいたということは、私達日本人にとって、大いに誇れることで、知るべきことである。浅川巧の生涯は、日本人である前に人間としてこうありたいと思える生き方であったが、日本の朝鮮支配が進むこの時期にそうした生き方を貫くことがどれほど難しかっただろう。どんな大きな木も、最初は小さな種から始まる。私達の周りにある木々も、今の大きさになるまでにどれだけの時間を要したことだろう。木が根を張り枝を伸ばしている間、私達はそれに見合う成長を続けているだろうか? 巧が植えた松の木は、今は韓国となった朝鮮で根を張っている。今の朝鮮は、巧が夢見た緑の山々に囲まれているだろうか? そして、朝鮮と日本の関係は、あの頃より良くなっているだろうか?

 監督は、事実を基にした良作を手がけることで知られる高橋伴明。こうした作品が日本人によって映画化され、日韓双方のスタッフの協力によってできあがったのはとても喜ばしいことである。日韓両国の人に見てもらいたい作品だ。

※ ツイッターでのご指摘を受けて、「戦時中にそうした生き方を貫くことがどれほど難しかっただろう」の「戦時中」を「日本の朝鮮支配が進むこの時期」に修正させていただきました。ご指摘いただきました方には記して感謝いたします。(2012/6/25)


『道 ~白磁の人~』
 日本映画/英題 Hakuji No Hito/2012年7月12日韓国公開
 監督 高橋伴明 主演 吉沢悠、ペ・スビン
 2012年6月9日(土)より、新宿バルト9、有楽町スバル座ほかにて全国ロードショー
 公式サイト http://hakujinohito.com/

Reviewer's Profile
 mame。1983年、岡山県生まれ。2004年、韓国・弘益大学美術学部に交換留学。韓国映画は留学を決めるきっかけにもなった。専攻は木版画。現在は会社勤めをしながら作品制作を続けている。





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非公開コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

コメントありがとうございます!
レビュー&レポートはこれからも進行中ですので、
ぜひまた遊びに来てくださいね~^^

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