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Review 『王の願い ハングルの始まり』 ~歴史的偉業の成果までの道のり

Text by Kachi
2021/6/21掲載



 1442年、朝鮮では自国語を書き表す文字が存在せず、上流階級層だけが中国の漢字を学び使用する特権的なものとなっていた。民衆が感情を書き表せないこと、また朝鮮独自の文字を作れないことによって国力を持てないことにもどかしさをおぼえた世宗(ソン・ガンホ)は、誰でも容易に書くことができる文字の創製に苦心していた。ある日、シンミ和尚(パク・ヘイル)と知り合うことになる。あらゆる言語に長けていた彼に世宗は、ともに新しい文字を創り出すことを持ちかけ、シンミの弟子も呼び寄せて朝鮮初となる文字創製に挑むことになる。しかし、儒教国の朝鮮で仏教は認められておらず、儒学者や家臣たちから大きな反発を招くことになる…。

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 朝鮮王朝史上、最も偉大な王として知られている第4代国王・世宗。特によく知られている業績にハングルの創製があるが、そこに隠された王自身の苦悩や困難、多くの人々の姿は史実の陰に隠れていた。本作は、そうした存在に虚実併せ持って描いている。歴史の想像の余地を埋めたのは、身分や階級の差を乗り越える情熱と、シンミが語る「桃の種の数は誰もが知っているが、いくつの実がなるかは誰も知らない」という言葉通り、偉業の成果は誰にもはかり得ないという普遍的な真理だ。

 ソン・ガンホ扮する世宗とパク・ヘイル演じるシンミ和尚は、身分差を越えて手を取り合うことになるが、ともに頑固で融通が利かないキャラクターとして描かれているため、演技の応酬に緊張感がある。また当然だが、さすがは名優同士、王の佇まい、僧侶の仕草なども堂に入っている。特にパク・ヘイルは、合掌の際に手が綺麗で(『殺人の追憶』のワンシーンを彷彿とさせる)惚れ惚れとしてしまった。

 『殺人の追憶』といえば、韓国映画ファンにとってソン・ガンホ、パク・ヘイル、そして王妃昭憲王后を演じたチョン・ミソンの3人が顔を合わせているということにも目を細めることだろう。残念ながら、チョン・ミソンは本作が遺作となってしまった。


『王の願い ハングルの始まり』
 原題 나랏말싸미 英題 The King's Letters 韓国公開 2019年
 監督 チョ・チョリョン 出演 ソン・ガンホ、パク・ヘイル、チョン・ミソン
 2021年6月25日(金)より、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
 公式サイト http://hark3.com/hangul/


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