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Review 『Be With You ~いま、会いにゆきます』 ~見る者に癒しを与える、美しく優しいファンタジー

Text by 加藤知恵
2019/4/2掲載



 日本で韓国ドラマ『冬のソナタ』がブームを巻き起こしていた2004年、国内の作品でも“初恋”や“純愛”をテーマにした小説・ドラマ・映画が次々とヒットを飛ばしていた。特に有名なものが、白血病を患った高校時代の恋人との日々を振り返る『世界の中心で、愛をさけぶ』と、梅雨の季節に戻ってきた亡き妻・母との再会を描く『いま、会いにゆきます』である。

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 その『いま、会いにゆきます』が2018年3月、14年の時を経て韓国で映画化され、間もなく日本でも公開される。原作小説・映画の知名度の高さに加え、誰もが認める人気俳優ソ・ジソブとソン・イェジンが夫婦役で主演を務めたことも注目を浴び、本国では公開後わずか15日で200万人動員を突破する大ヒットとなった。

 物語は、天国へ向かう者が留まる「雲の国」へ行った母ペンギンと、地上で母を待つ赤ちゃんペンギンが主人公の愛らしいアニメーションで始まる。これは1年前に死んだスア(ソン・イェジン)が息子のジホ(キム・ジファン)に残した自作絵本のストーリーだ。ジホは絵本に書かれた「雨の季節に戻ってくる」という母の言葉を信じて、梅雨が来るのを待ちわびていた。特殊な病を抱えながら男手一つでジホを育てるウジン(ソ・ジソブ)も、そんな息子への対応に戸惑いつつ、一途に亡き妻を思い続けている。そしてついに梅雨が始まったある日、一切の記憶を失った状態でスアが2人の前に現れるのだが…。

 前半はウジンとジホ、スアとジホの関係性がメインに描かれ、しっかり者で健気なジホの姿に心を動かされるが、中盤以降はスアとウジンが高校時代に出会い、結ばれるまでのなれ初めが回想シーンを交えて語られる。思わず笑ってしまうフォークダンスの場面や、いわゆる“胸キュン”を誘うバス停での手つなぎシーンなど、日本版にはないエピソードも盛りだくさんだ。純粋で不器用な2人が一途に相手を思い続ける過程を、ソ・ジソブとソン・イェジンが、美しいビジュアルだけでなく、安定感のある演技の中に繊細なコメディセンスを織り交ぜて魅せてくれる。日本版のファンはもちろんのこと、『ラブストーリー』(2003)や『私の頭の中の消しゴム』(2004、同じ美術監督が担当)、『建築学概論』(2012、同じ撮影監督が担当)といった韓国の恋愛映画が好きな人もきっと満足できることだろう。

 監督は本作がデビュー作となるイ・ジャンフン。挫折と絶望に打ちひしがれていた8年前に原作小説を読んで慰められ、映画化を望んできたのだという。最後に明かされるスアの秘密は、衝撃的でありながらも感動的だ。困難な状況であってもひたすらに夫と息子への愛を貫くスアの姿と、美しく優しい物語が、安らぎと癒しを与えてくれる。


『Be With You ~いま、会いにゆきます』
 原題 지금 만나러 갑니다 英題 Be With You 韓国公開 2018年
 監督 イ・ジャンフン 出演 ソ・ジソブ、ソン・イェジン、キム・ジファン、コ・チャンソク
 2019年4月5日(金)より、シネマート新宿ほか全国ロードショー
 公式サイト http://klockworx-asia.com/be-with-you/

Writer's Note
 加藤知恵。今回はタイムリーにも、自宅で生後1ヶ月の息子を膝の上であやしながらの鑑賞となり、作品の世界観にも一層共感できました。


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