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Report ソウル2019春 ~柳寛順の映画を見て考えた日韓の歴史。そして、新しい韓国にふれる

Text by hebaragi
2019/3/31掲載



 今年2019年は、1919年に韓国で起きた「三・一独立運動」から100年を迎えた年だ。当時、独立運動を主導した人物の一人が柳寛順(ユ・グァンスン)である。柳寛順は韓国では知らない人がいないくらいの歴史上の人物で、「韓国のジャンヌ・ダルク」と呼ばれることもある。今回訪れたソウルで、彼女に関わる映画2本を鑑賞した。また、伝統公演(演劇)やミュージカル、ガールズグループのライブにも参加し、新しい韓国にも触れたソウル滞在であった。


『抗拒:柳寛順物語』


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 三・一独立運動が起きた当時は16歳だった柳寛順が、日本の官憲によって拘束され、収監されたソウルの西大門刑務所で過ごした1年あまりが描かれた作品。大部分を占める刑務所のシーンはモノクロで、日本の植民地支配当時の息詰まるような雰囲気が伝わってくる。とりわけ、何度か描かれる拷問のシーンは目を覆いたくなる光景であり、日本人のひとりとして見ているのが辛かった。しかし、そのような仕打ちを受けながらも、柳寛順は志を変えることなく、収監された同志とともに「大韓独立万歳」の声を高らかにあげていく。その後、日本の皇室の慶事に伴う恩赦も彼女には適用されず、1年あまりの収監後、獄死する。本作撮影にあたって5日間絶食したという主演のコ・アソンの凜とした表情が見る者に強い印象を残した作品だった。


『1919 柳寛順物語』


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 柳寛順にまつわるドキュメンタリー作品。彼女の生涯を、韓国内外の歴史学者など様々な研究者のインタビューを交えて描いている。80分弱という短い上映時間であり、西大門刑務所でのシーンは少なく、拷問などのシーンも『抗拒:柳寛順物語』よりは少ない。三・一独立運動に際しては、韓国側の発表で7,000人を超える死者が発生したとの説があることが劇中で流れ、改めて歴史上の大きな出来事であったという認識を新たにした。ラスト近く、鳩山由紀夫元首相が西大門刑務所跡地を訪れ、「ここで拷問があったことや、たくさんの命が奪われたことを申し訳なく思う」と語り、ひざまずいて謝罪するシーンが描かれている。日本では歴史認識をめぐって様々な意見があり、時折、韓国側から見れば政治家の「妄言」と言われる発言が話題になる。しかし、日本の中にも様々な考え方があることを映画を見た韓国の人たちに知ってもらう意味では、鳩山元首相の登場は意義のあるシーンであったように思う。

 2本の作品を見て感じたのは、韓国の人たちの歴史を忘れまいとする思いであった。一方、日本では、学校でヨーロッパやアメリカ、中国の歴史は詳細に習うが、韓国の現代史を扱う時間は極端に少ない。現在、日韓の間では歴史をめぐって様々な問題が再燃している。その一方で人的交流は増え続けており、日本ではK−POPや韓国料理が相変わらずの人気を集め、東京のコリアンタウン、新大久保は連日大勢の人たちでにぎわっている。今後、真の相互理解を築いていくためには、文化にとどまらず歴史上の出来事にも関心を持っていくことが必要ではないだろうか。


伝統公演「宮:張緑水ストーリー」


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 15世紀の李氏朝鮮時代が舞台。暴君として悪名高い燕山君と、彼の寵愛を受け「朝鮮三悪女」のひとりとも称される女性・張緑水(チャン・ノクス)の物語。2015年には『背徳の王宮』として韓国で映画化もされている。本作は台詞なしのノンバーバル作品。権力をほしいままにした燕山君と張緑水が周囲を翻弄するが、最後には反旗を翻した部下たちによって二人は倒される。美しいチマチョゴリをまとった女性たちの舞踊シーンも見どころのひとつであり、壮大で豪華な歴史絵巻が観客を魅了する。観客のほとんどが外国人で、時折、舞台袖に設置されたディスプレイに四ヶ国語で説明文が流れ、ストーリーの理解を深めることができる。鑑賞後、もっと韓国の歴史を知りたくなった作品だった。


ミュージカル「パルレ」


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 2005年の初演からロングランを続ける人気ミュージカル。2012年には日本でも公演があった。今回はソウル大学のある若者の街、大学路(テハンノ)の小劇場で鑑賞。6年前に知人のすすめで見たのが初めてだったが、今回も小劇場ならではの舞台と観客の一体感が楽しめた。ストーリーは、あるアパートに住む様々な事情を抱えた住人たちが繰り広げる群像劇だ。主演の書店勤務の女性ナヨンと、モンゴルからの労働者ソロンゴの出会いを軸にラブ・ストーリーの要素もあり、ハッピー・エンドにほっとさせられる。軽快でテンポのよいストーリー展開が楽しく、休憩含め160分という上演時間も全く気にならない秀作であった。


「公園少女」ゲリラライブ


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 ソウルの繁華街、明洞(ミョンドン)で昼食をとり、街歩きをしていたところ、トレーラーを利用した仮設ステージでのライブに遭遇。2018年9月から活動を開始した韓国人5人、日本人1人、台湾人1人の7人組ガールズグループである。ゲリラライブでありながら、小一時間にわたってパフォーマンスが繰り広げられた。ダンスも歌も素晴らしく、まだ肌寒いなか、会場の歩行者天国を埋め尽くした大勢の観客を魅了した。


Writer's Note
 hebaragi。北海道在住。ソウルに行き始めて30年になる。30年前、新千歳空港とソウルを結ぶ便は週2往復のみであったが、現在は7社のエアラインが1日に10往復している。料金も昔からは考えられないほど安く、国内旅行以上に手軽に行けるようになったことは喜ばしい。次のソウル訪問が今から楽しみだ。


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