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Review 『いつか家族に』 ~食口と家族と韓国社会

Text by Kachi
2018/12/16掲載



 今冬も、韓国映画が我々を楽しませてくれそうだ。温かな気持ちを呼び起こすホームムービー調でありつつ、社会事情や歴史をふまえた作品が続々公開される。

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『いつか家族に』

 『ローラーコースター!』に続く監督ハ・ジョンウの2作目は、中国の小説家、余華の代表的小説『血を売る男』を原作にした『いつか家族に』。2015年作のホームコメディドラマがついに公開される。

 1953年の公州。荷役夫ホ・サムグァン(ハ・ジョンウ)は、ポップコーン売りの美女オンナン(ハ・ジウォン)に一目惚れする。オンナンにはハ・ソヨンという、モダンで財力もある恋人がいたが、サムグァンは彼女の父を言いくるめて強引に結婚。しかし、3人の息子にも恵まれて平凡な幸せを噛みしめていた矢先、サムグァンが特に可愛がっていた11歳の長男イルラク(ナム・ダルム)が、サムグァンではなくソヨンと血縁関係にあることが発覚する。

 「ハ氏のソヨンとオンナンが結婚してしまったら、家は誰が継ぐのですか」と言い寄ったり、実子でないと分かった瞬間からサムグァンがイルラクを冷たく突き放すなど、劇中人物たちの会話には、旧来の父権主義と血縁主義こそが家族を結びつける、という思想が見え隠れする。一方で韓国には「食口(식구)」という、日本では聞き慣れない言葉がある。「家族(가족)」は近い血縁関係の者の集合体を指すが、食口は必ずしもそうではない。日本から来たお嫁さんに、お姑さんが「あなたは食口なのよ」と言うと、家族として受け容れたという意味なのだ。

 『いつか家族に』は、韓国でもファンの多い是枝裕和監督の『そして父になる』や『万引き家族』といった、血縁に限らない多様な家族のあり方を提起する一連の作品群にも似た様相である。趣が異なるのは、当初は固陋な純血主義者として、権力の強い父親に過ぎなかったサムグァンが、次第に慈愛と強さを兼ね備えた本物の父親へとなっていく姿が、より共感を呼ぶ形になっているところだ。

 お腹をすかせた子供たちに、妄想で料理を作って食べさせる“エア肉まん”のシーンはもちろん、家族団らんのシーンでは「モクバン(美味しそうに食べる姿が放送される)俳優」ことハ・ジョンウの食事姿が、ファンを喜ばせてくれる。鑑賞後は間違いなく、ふかしたてのほかほか肉まんが恋しくなる。


『いつか家族に』
 原題 허삼관 英題 Chronicle of a Blood Merchant 韓国公開 2015年
 監督 ハ・ジョンウ 出演 ハ・ジョンウ、ハ・ジウォン
 2018年12月22日(土)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋にてロードショー
 公式サイト http://www.finefilms.co.jp/kazoku/


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