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Report 第23回釜山国際映画祭(1) ~ふたたび自由を勝ち得て、豊穣な映画の大海へ

Text by Kachi
2018/12/9掲載



 穏やかな口調ながら、映画の自由を阻む政権へは辛辣さを隠さなかった、エグゼクティブ・プログラマーのキム・ジソク氏が急逝し、さらにジソク氏の後任プロデューサーが辞表を提出するなど、2017年の釜山国際映画祭(以下、BIFF)は大きな悲痛と長引く禍根を抱えての幕開けであった。23回目を迎える2018年は、「アジア映画のハブ」というBIFF本来の姿に戻るという趣旨で国費による独自予算が投入され、映画祭の予算は114億5,000万ウォンと昨年に比べてやや増加した。そして、キム・ドンホ理事長と女優カン・スヨンによる執行部が辞任し、『ダイビング・ベル』騒動(*)で不当に解任されていたイ・ヨングァン氏が再び実行委員長に就任した。

biff2018a.jpg
BIFF2018のポスターデザイン

 去年、新政権を担って日が浅い文在寅大統領が口にした「サポートはするが、介入はしない」を額面通りに受け取るなら、前回から少しずつ権力の歩み寄りが兆している雰囲気はあるが、知り合いに顔を合わせるたび、昨年同様に行政と映画祭の距離が果たして正常化しているのかを話し合った。ただ、映画祭で感じたこととしては、保守政権では作られなかった、第二の『ダイビング・ベル』になりかねなかった作品が続々登場していた。先日、韓国の独立系映画館スタッフたちと話す機会があり、政権が変わったことは、やはりプラスに捉えているようだった。その証拠に(と言ってもいいだろう)、今年のBIFFの総観客数は19万5,000人を超えたそうで、昨年からやや増加している。BIFFはアジア最大の映画祭で、豊穣な映画の大海であり続けるべきなのだ。

 BIFF2018のレポートを6回に分けてお届けする。

(*) 2014年4月16日に珍島沖で起こった旅客船セウォル号沈没事故の救出活動で、当時の朴槿恵政権が関与したとみられる妨害や隠蔽について追ったドキュメンタリー映画『ダイビング・ベル/セウォル号の真実』の上映をめぐり、釜山市をはじめとした国家権力がBIFF運営に不当に介入した一連の騒動。歴史ある映画祭の自由が侵害されたことは韓国のみならず世界の映画界に強い衝撃を与え、その年のBIFFでは多くの映画人・俳優による参加ボイコットが敢行された。


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第23回釜山国際映画祭
 期間:2018年10月4日(木)~10月13日(土)
 会場:釜山市内各所
 公式サイト http://www.biff.kr/


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