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Report シンポジウム「パク・ジョンボムとユン・ジョンビンが語るチャン・リュルの世界」 ~アジアフォーカス・福岡国際映画祭2017より

Text by 井上康子
2017/10/21掲載



 アジアフォーカス・福岡国際映画祭2017(以下、アジアフォーカス)ではチャン・リュル監督作品『春の夢』が上映され、チャン監督、主演したパク・ジョンボム監督とユン・ジョンビン監督が来福した。アジアフォーカス・スタッフで韓国映画人との交流を続けている西谷郁氏の司会で、『春の夢』についてを中心に、映画人として考えていることや、日本との合作の可能性等を3監督が語り合った。


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今回上映作品『春の夢』について


司会:ヤン・イクチュン、パク・ジョンボム、ユン・ジョンビンの3人をキャスティングした理由は?

チャン:3人共と元々親しいのです。3人で何かやれたらと思ったのが始まりです。監督には演出だけできる人と演出も演技もできる人がいますが、3人は演出も演技も素晴らしく、嫉妬するような気持ちもあります。親しいのでギャラが少なくてもやってくれるかなと思って依頼したところもあります(笑)。

司会:ヤン・イクチュン監督『息もできない』、パク・ジョンボム監督『ムサン日記~白い犬』、ユン・ジョンビン監督『許されざるもの』ではいずれも監督たちが主演しましたが、その役柄のイメージのまま本作にも登場しています。その意図はどこにあったのでしょうか?

チャン:3人の監督作品が好きで、人間的にも3人が好きです。映画の質感と人間の質感は重なる所があると思います。本作の舞台にした水色洞(スセクドン)の質感に合うと考えていたら3監督作品のキャラクターが溶け込んでいきました。自然に3作品につながるという不思議な体験でした。

司会:役作りはどうやって行いましたか?

ユン:いつもは自分が演出する映画に出ていて、他の人が演出する映画に出たのは初めてで、迷惑をかけてはいけないと思い、監督の指示通り一生懸命やろうという思いだけでやりました。

パク:私は今まで作った映画は脱北者や労働者を描いていて、そういう役を演じてきて、今回もそのような役だったのでそういう意味では特に難しくはありませんでした。今回は撮影を通じて、俳優の呼吸や姿勢を感じることができて、良い経験になりました。一つ残念だったのは映画の中で3人の内私だけシン・ミナさんをハグできなかったことです(笑)。

司会:私はハン・イェリさんが大好きです。彼女をキャスティングした理由は?

チャン:彼女は演技の上手い女優です。以前、短編映画に出演してもらったことがあり、今回もぜひ一緒にやってほしいと思いキャスティングしました。3人の男が住んでいる水色洞は本当に3人が住んでいるのではというリアリティがあります。でも3人だけの水色洞はとても寂しくて彼らを慰めてくれる存在が必要と思い、3人の男を中心に、ハン・イェリさんを加えた物語にしました。

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チャン・リュル監督

司会:監督は中国文学に造詣が深い方ですが、イェリさんが作品中語る詩に李白の「静夜思」を選んだのはなぜですか?

チャン:「静夜思」は中国では老若男女誰もが知っている詩で、故郷を思う時はこの詩を読みます。彼女は中国の朝鮮族で延辺から来たので故郷を想う時はこの詩で慰められているのではと思いました。

司会:イェリさんは作品中アン・スギルの小説「北間島」も読んでいましたね。

チャン:「北間島」は延辺が舞台なので、彼女が読むのに相応しい小説でした。

司会:出演していて自分だったらこういう演出にするのにと疑問を感じたことはありませんでしたか?

ユン:自分は監督ですが、だからといって演技をする時に演出について考えるということは特にありませんでした。演技をしようという思いだけでした。強く感じたのは自分が演出する時にこれからは俳優さんにもっと優しくしなくてはということでした(笑)。

パク:私も自分の撮影現場のことを思って反省しました。チャン監督はあまりテイクも多くなくてすぐにOKを出してくれます。私は『生きる』撮影の時は何度もやり直してもらい、俳優さんたちに無慈悲で反省しました(笑)。

チャン:ヤン・イクチュンさんもこれから俳優さんのことを配慮しなくてはとずっと言っていました。3人は苦労しながら参加してくれて感謝しています。また、3人で映画を撮れたらと思います。


チャン監督作品について


司会:チャン監督作品についてどう思っていますか?

ユン:大好きでよく見ています。見る度におもしろく、作風が自分とは違っていて刺激になります。今回は自分が出演しておもしろくないと思う部分ができてしまったので、今度は出演しないで素直に見たいです(笑)。

パク:私も全作品を見ています。監督の世界観や人の観方には私のそれらと共通したものがあると思います。


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ユン・ジョンビン監督

韓国映画界の中で


司会:チャン監督はスターを起用したメジャー作品と独立系作品を手掛けています。ユン監督は近年メジャー作品を手がけ、パク監督は自分で演出・主演を続けています。韓国映画界の中でどういう思いで映画を作っていますか?

チャン:自分が何に興味があるのかを意識して作っています。映画界全体については考えたことがないです。

ユン:私も考えたことがありません。自分の興味を深めて作品を撮り続けたいと思っています。自分が原則としているのは、一つは他の人に迷惑をかけないようにするということです。映画は多くの人が関わるプロジェクトで、チームワークで動くものなので迷惑を掛けたら次の作品につながらなくなってしまいます。二つ目はあまり期間を開けずに次の映画を作るということです。その二つを守れば長く映画を撮り続けることができると思ってやっています。

パク:私も特に考えていません。自分が欲するままに撮りたい映画を撮るだけです。つらいのはこれまでの作品の収益があまり良くなく、損益分岐点に達しておらず、誰かに迷惑をかけてしまったということです。これからは自分が撮りたいものを撮り、多くの観客を動員できたら良いのですが。この冬から新しい映画の撮影に入りますが、この作品も少し難しいのではと言われ悩んでいます。

チャン:もうちょっと希望を持ったら良い。『春の夢』が日本で大ヒットしたら次の作品につながるので(笑)。


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パク・ジョンボム監督

日本との合作希望について


司会:日本で撮影したいという希望はありますか? 問題になることはありますか?

チャン:合作は良い作品につながります。投資がちゃんと入れば、どういう国か、どういう人かは問題になりません。

ユン:自分が撮りたいものが合作でなくてはできないなら合作という形でいろいろな人の手を借りたいし、そうでなければ韓国で撮るでしょう。合作自体が大事というより作品がどんな流れで何を表現したいかによります。

パク:私は日本によく来ていて、例えば東京の風景で撮りたいと思うものに出会うことがあります。合作であるなら、言葉の問題があるので、私がシナリオを書き、友人である石井裕也監督が演出するというようなことがいつかできたらと思います。


 チャン監督は観客からの質問にも答えて、「自分の住んでいる街では人々は忙しく仮面をかぶっている様で表情が見えないが、水色洞は人間の喜びや悲しみの感情を素直に見せてくれる所。水色洞を舞台に描こうと思ったのは私たちが生きるのに何が大事かを見ることができる場所だったから」、「シナリオはざっくりした大まかなものが好きで現場の雰囲気や俳優のコンディションに合せることが多い」、「今回の作品でヤン・イクチュン、パク・ジョンボム、ユン・ジョンビンという実名を役名にしたのは名前があまり洗練されてなくて水色洞の住人に相応しかったことと本名を使うことで俳優の本性が出ることを期待した」ということも語った。

 また、チャン監督「イェリ(ハン・イェリも実名が役名になっている)の父親を演じたのはイ・チャンドン監督の弟で映画制作者のイ・ジュンドン氏。寝たきり役で負担が大きかったので仲の良いイ氏を説得して出演依頼し、入浴場面で裸で人に洗ってもらうというのはその場で説得した(笑)」、ユン監督「自作に朝鮮族の科学者役でチャン監督に出演依頼し、ギャラもたくさん出すと言ったのに応じてもらえなかった(笑)」というユーモラスなエピソードが披露されたことも付言しておこう。


アジアフォーカス・福岡国際映画祭2017
 期間:2017年9月15日(金)~9月24日(日)
 会場:キャナルシティ博多ほか
 公式サイト http://www.focus-on-asia.com/

Writer's Note
 井上康子。福岡アジアフィルムフェスティバル2017ではキム・ギドク監督が福島第一原発事故による放射能汚染を描いた『STOP』が上映された。恐怖感から追い詰められ常軌を逸していく人を描いて衝撃的だ。福島の問題を他国の問題とせず来日。撮影・照明・録音も一人でこなしたそうだ。


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