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Report 第10回札幌国際短編映画祭(SAPPOROショートフェスト2015) ~札幌の秋を彩った珠玉の作品たち

Text by hebaragi
2015/10/18掲載



 10月7日から12日まで、札幌プラザ2・5をメイン上映会場に「第10回札幌国際短編映画祭(SAPPOROショートフェスト2015)」が開催された。2006年に札幌で初の国際短編映画祭として誕生し、10回目の節目となる今年は、世界99の国と地域から3,321作品の応募があり、オフィシャル・コンペティション対象の100作品や、10周年記念特別プログラムなど、約200作品が上映された。期間中は三連休ということもあり、各会場ともに盛況で満席となる上映回もあるなど、節目を迎えた映画祭にふさわしいものとなった。今回、筆者は前回に続き二度目の参加となったが、多数の作品のうち日本映画と韓国映画を中心に鑑賞することができた。紅葉もちらほら始まった札幌を彩った映画祭をレポートしたい。

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映画祭ポスター


楽しい日本映画が続々


 本映画祭のメインとなるコンペは「フィルムメーカー部門」と「作品部門」があるが、いずれも秀作揃いで観客を大いに魅了した。なかでも作品部門の「ナショナル・プログラム」に多数の作品が出品された日本映画はユニークな発想のものが多かった。最優秀国内作品賞を受賞した『小春日和』(齋藤俊道監督)は、確執を抱えた兄弟が母親の葬儀に直面して新たな一歩を踏み出す姿を、ひとりの女性の目を通して丁寧に描いた秀作だ。「北海道セレクション」で最優秀北海道作品賞を受賞した『ハングリー・フォー・ラブ』(ジャスティン・アンブロシーノ監督)は、一組の男女が札幌を舞台に食べ歩くコミカルな作品で会場を大いに沸かせた。

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『小春日和』

 また、受賞作品以外にも、桃井かおり主演の『オールーシー!』(平柳敦子監督)は突飛なテーマをユーモラスに描いた。寺島しのぶと寺島進が出演したハードボイルド『サベージ・ナイト』(クリストフ・サニャ監督)はふたりの魅力が存分に発揮された作品だ。一方、青春映画では『SR サイタマノラッパー』シリーズを彷彿とさせるラッパーが主人公の作品『帰ろうYO!』(松本卓也監督)や、『しゃぶしゃぶスピリット』(Yuki Saito監督)、『あの子の席』(片岡翔監督)、『はんたま』(橘剛史監督)など、若い才能がほとばしる楽しい作品が多かったことが印象に残る。


韓国映画で新たな魅力発見


 韓国映画では4本の作品を見ることができた。世界各地の映画祭で高い評価を受けたアニメーション作品『えさ(Prey)』(キム・ボヨン監督)は最優秀ミニショート賞を受賞し、観客は完璧なまでの映像美に圧倒された。また、「ファミリー&チルドレン部門」で上映されたアニメ『グンター(Gunther)』(エリック・オー監督)も楽しい設定が、満席の会場でたくさんの親子を楽しませ、最優秀チルドレンショート賞を受賞した。また「アジアンタイフーン10」と題した特集上映では、女優ムン・ソリが初めて監督し主演も務めた『女優魂(the Actress)』が上映されたが、シリアスでありながらコミカルな要素を含み、女優としての心理描写が見事に描かれていた。

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『えさ(Prey)』

 さらに、協力映画祭である「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」から、10周年を記念して編成された特別プログラム「ショートショートフィルムフェスティバル特集」では、第69回ベネチア国際映画祭で最優秀短編賞を受賞した『葬式(Invitation)』(ユ・ミニョン監督)が上映された。本作品は今回の映画祭で筆者が最も注目していたものだが、期待どおりだった。ある日突然、夫を交通事故で亡くした妻が憔悴しきったなかで夫の秘密にふれ、夫の愛人もまじえて展開していくシリアスなドラマだ。妻ギョンスク役のイ・サンヒは終始無表情で多くを語らないが、その表情が彼女の内面の葛藤や憤りなどの複雑な心境を見事に描き切っていたところが強く印象に残る。

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『葬式(Invitation)』

 イ・サンヒは、1980年代に活躍し『旅人は休まない』などで知られる女優イ・ボヒの面影を彷彿とさせるクール・ビューティーな雰囲気を持っているかのようにも思え、印象深かった。俗に「人は一生で三度ほめられる(一度目は出生、二度目は結婚式、三度目は葬儀)」というが、三度目はほめられない人生について考えさせられる作品でもあった。余談だが、今年公開の『海街diary』(是枝裕和監督)にも葬儀のシーンが出てくることを思い出した。誰もが避けて通れない死や葬儀をモチーフにした作品は、内外問わずこれからも作り続けられていくことだろう。


市民に定着したショートフェスト


 本映画祭は、2013年から高校生以下が無料で鑑賞できることになっているほか、子育て世代応援企画として「ファミリー&チルドレン部門」の一部プログラムにおいて会場を少し明るくするなど、小さな子どもに配慮した上映も行われている。今年の新たな取り組みとしては、インターネットなどで配信されている、企業が広告の枠を超え制作した短編映像作品「ブランデッド・フィルム」の特集があげられる。また「札幌国際メディアコンベンション」を初開催し、海外のショートフィルム・マーケットの取り組みなどに関する会議や、ヨーロッパにおける「映像」を活用した街づくりやビジネスの展開についての講演会が行われるなど、様々な角度から映画にふれることのできる貴重な機会となった。

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メイン会場の札幌プラザ2・5

 また、本映画祭は札幌随一の老舗商店街・狸小路の元映画館をメイン会場に開催されていることから、文化を活かした街づくりや商店街の活性化の観点からも大きな意義を持つイベントといえるだろう。まるで宝石箱をひっくり返したように、次々と珠玉の作品に触れられる本映画祭の魅力は語りつくせないが、秋の札幌を彩るにふさわしい文化イベントとして市民の間にも定着した感がある。今後のさらなる発展を願ってやまない。


第10回札幌国際短編映画祭(SAPPOROショートフェスト2015)
 期間:2015年10月7日(水)~10月12日(月・祝)
 会場:札幌プラザ2・5、シアター・キノほか
 公式サイト http://sapporoshortfest.jp/15/

Writer's Note
 hebaragi。映画祭で上映後に自然と沸き起こる拍手が好きだ。特に自分が気に入った作品で盛大な拍手が沸き起こると、まるで自分がほめられたように感じて嬉しい。これからも心から拍手が沸き起こるような作品に出会い続けたいものである。


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