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Report ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015 ~25回目の「おかえりなさい」は青春映画と女優パワーの魅力炸裂

Text by hebaragi
2015/3/3掲載



 25回目の節目を迎えた映画祭初日、今年もゲストと観客は「おかえりなさい」の言葉で迎えられた。開催期間中は例年に比べて雪も少なく気温も高めで推移するなど天候にも恵まれ、会場間の移動も苦にならなかった。実際、屋外イベントを含め、映画祭を満喫した映画ファンが多かったようで観客動員も昨年を上回った。まさに今回のテーマである「世界で一番、楽しい映画祭!」にふさわしい5日間だったといえる。今回は初日のオープニングセレモニーで3人のアクション女優(武田梨奈、花井瑠美、三田真央)がプロジェクションマッピングとコラボレートしたパフォーマンスを披露するなど、若手女優にスポットをあてた企画が目立ったのが大きな特徴だ。オープニング上映は主演の松田龍平を迎えての『ジヌよさらば~かむろば村へ~』。その後5日間にわたり84本の作品が観客を楽しませた。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015(以下、ゆうばりファンタ)」のレポートをお届けする。

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オープニングセレモニーのパフォーマンス


青春映画の力作が光るオフシアター・コンペティション部門


 オフシアター・コンペティション部門(以下、オフシアター部門)ノミネート作品の特徴として、青春映画の力作が目についたことが挙げられる。グランプリを受賞した『メイクルーム』(森川圭監督)はAV撮影現場のメイクルーム一室を舞台にしたワンシチュエーション青春群像劇で、様々なエピソードが興味深く描かれている作品だ。審査員特別賞を受賞した『眠れる美女の限界』(二宮健監督)は三十路手前の女優志望の自堕落なヒロインの現実と妄想が華麗なヴィジュアルで描かれている。北海道知事賞を受賞した『歯まん』(岡部哲也監督)はモンスターになってしまった少女の悲劇を「生と性と愛」をテーマに描いたダークファンタジーで、見る者に強烈な印象を残した。シネガーアワードを受賞した『MIZO』(ナム・ギウン監督)は、親に捨てられた少女の復讐青春劇で、韓国では公開禁止処分を受けた話題の作品。スカパー!映画チャンネル賞を受賞した『私たちのハァハァ』(松居大悟監督)は北九州の女子高生4人が自転車で東京を目指す楽しい青春ロードムービー。また、受賞こそ逃したが、『うつろう』(久保裕章監督)は中年女性と男子中学生の交流を繊細かつ叙情たっぷりに描いた秀作。『鼻目玉幸太郎の恋!』(田代尚也監督)はユニークな人物設定が楽しい。さらに『メイドロイド』(ノ・ジンス監督)は、コンビニとカラオケ店でバイトをする青年の元に届いた謎の日本製アンドロイドと青年の不思議な交流と満たされない現実の恋愛をシリアスかつユーモアたっぷりに描いた楽しい青春映画だ。

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『メイクルーム』森川監督


多彩な魅力のショートフィルム・コンペティション部門


 「インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門(以下、ショートフィルム部門)」では、国内外から20本の作品が出品されたが、秀作揃いでレベルが高かった。グランプリを受賞した『今月のあの日』(ジラッサヤー・ウォンスティン監督)はタイの中学生二人の主人公の思春期を描いた秀作。審査員特別賞を受賞した『拝啓アトム』(吉池巨成監督)も思春期の心の揺らめきを描いている。優秀芸術賞には三本が選ばれた。『ハードル』(パク・ソンジン監督)はアルツハイマー病の母の介護をする娘がテレビでハードル競技の番組を見て変わっていく様子をシリアスに描いた作品。『Green Glows』(白田明日香監督)は森の動物たちの生き方を描いた美しいアニメーション。『恵まれたマシーン V』(ジョシー・マリス監督)も、図らずも大紛争に巻き込まれた異国の旅行者を描いたアニメーション。受賞作以外にも、自由奔放な女性をユーモアたっぷりに描いた『姉は自由人』(加藤行宏監督)や留年が決まった学生がなんとか卒業しようと奮闘するコメディ『真田志郎、5年生になる』(ダニエル・トイボネン監督)、ミステリアスなバスを舞台にした『終点、お化け煙突まえ』(富名哲也監督)、バスジャックをテーマにしたブラックコメディ『520フェイラン』(アルベルト・ベントラ監督)など興味深い作品が目白押しだった。

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優秀芸術賞を受賞した『ハードル』パク・ソンジン監督


『ONE ON ONE』に長蛇の列


 招待作品部門の『ONE ON ONE(原題)』は、当初予定されていたキム・ギドク監督とイ・ウヌの来夕が直前にキャンセルされたにもかかわらず、上映前の会場に長蛇の列ができ、ギドク人気の根強さと新作に対する関心の高さがうかがえた。また、上映前には、一人8役という特殊な作品設定についての解説があったほか、上映後にも韓国映画に造詣の深い芳賀恵さんによる解説があった。殺害された女子高生の名前がミンジュ(민주)となっているのは「民主(민주)」主義についての暗喩であり韓国社会における民主主義の危機を描いたという監督の意思や、有形無形の規制がある韓国の映画業界をめぐる事情などが詳しく説明され、観客が理解を深めることができたのは有益な機会であった。筆者は作品自体初見だったが、今回も予想どおりのギドクワールドが展開されており、今後の日本公開を待ちたい思いを強くした。

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『ONE ON ONE』の解説


楽しい女優トークイベント


 25周年企画として、多数の女優を迎えたトークイベントが2日間にわたって開催されたのも楽しい試みだった。『真夏の夜の夢』を監督した松本花奈は現役女子高生、『密かな吐息』監督・主演の村田唯は北海道出身の新人監督だ。オフシアター部門のグランプリ受賞作『メイクルーム』主演の森田亜紀は公開待機中の『へんげ』にも出演している。『歯まん』出演の水井真希は、2014年のオフシアターコンペの『ら』で監督として参加し、ゆうばりファンタ参加は今回9回目の常連。加弥乃は元AKB48メンバーで『ら』の主演女優。花井瑠美は元新体操選手で『ジェリー・フィッシュ』『少女は異世界で戦った』に出演している。『夜があけたら』主演の武田梨奈は『ハイキックガール』『KGカラテガール』『少女は異世界で戦った』などのアクション映画を主体に活躍を続けており、今年公開予定の作品は7本にのぼるという。まさに多彩なメンバーであり、今後の日本映画界で注目を集めるであろう女優たちへの認識を新たにしたイベントでもあった。なお、武田梨奈はゆうばりファンタ常連を目指し、次回の映画祭に向けた企画を募集する予定とのことでもあり、ゆうばりファンタならではの新たな展開も期待される。

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左から花井瑠美、加弥乃、水井真希


転機を迎えるゆうばりファンタ


 四半世紀を迎えたゆうばりファンタだが、2016年は今回までのメイン会場の老朽化に伴う新会場確保という大きな課題が待ち構えている。移転予定先のゆうばり文化スポーツセンターは大規模な改修が必要なため、映画祭継続のために基金を立ち上げることになったとのこと。映画祭実行委員長の澤田宏一氏は「26回以降も継続できるように皆さんのご支援を」と語っていたが、一度でも参加した関係者や映画ファンの思いも同じではないだろうか。次回の新たな出発を願いつつ、雪のゆうばりを後にした。

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フォトセッションの模様


ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015
 期間:2015年2月19日(木)~2月23日(月)
 会場:北海道夕張市内
 公式サイト http://yubarifanta.com/


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