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Review 『遭遇』

Text by mame
2012/7/10掲載



 イム・テヒョン監督により、前作『奇跡の夏』から5年ぶりに撮られた本作は、映画製作をテーマにした不思議なSFホラーかと思いきや意外な感動作に仕上がっている。

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 劇中、監督のジュンホ(ミン・ジュンホ)は10年ぶりの映画製作に意欲を燃やし、昔のツテを頼って頭を下げるも反応は芳しくない。30年ぶりに帰った自分の故郷・全羅北道の井邑(チョンウプ)をロケ地に、なんとか撮影にこぎつけるものの、脚本もなくほぼ即興で撮る手法に、スタッフ・出演者は振り回され、出資者であるプロデューサーからもクレームが入る。そして宇宙人の登場という突拍子もない設定に周りはますますうんざりするのだった…。

 この前半部分で、映画というのは、多くの人の協力なしに作り上げることは不可能なのだと痛感する。これは、イム・テヒョン監督が実際に経験したことで、ジュンホはイム監督自身を投影した役柄なのだろう。見ていて哀れな思いが込み上げてくる。前作『奇跡の夏』が国内外でヒットを記録した5年後に、今回は全く違う作風の低予算映画をわずか3週間で作り上げた。監督としてもこの辺りは、何か思うところがあっての作品だったのだろう。韓国は日本よりも映画産業が盛んだというイメージがあるが、数々の秀作・話題作を生み出したにもかかわらず、その後、作品を作れずに苦悩するという葛藤はあのキム・ギドクの『アリラン ARIRANG』でも描かれている。映画監督と聞くと今まで華々しいイメージがあったが、この辺りはとてもリアルに描かれている気がして興味深く見ることができた。

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 撮影中、ジュンホは長い髪の女性の幻影を何度も目にして、映画の撮影どころではなくなってくる。どこか見覚えのあるその女性の登場に、ジュンホは悩み、なんとかして手がかりを探そうと躍起になる。ここで、カギになるのがあの宇宙人だ。撮影時、誰もが宇宙人の登場という設定に驚き、呆れるが、その女性との思い出に、宇宙人が深く関っていたので、ジュンホにとってはごく当然の設定だったのだ。「私のことを忘れてほしくなかっただけなの」との女性からの訴えに、私はすんなりと納得して涙が溢れてしまった。

 高校生役のソン・イファンや宇宙人役のチョ・ソンフンなど、脇役が良い味を出していて、思わずクスッと笑える場面もあり、ラストはしみじみと味わい深い作品となっていた。震災翌日の大阪を描いた『大阪のうさぎたち』とはまた違って、よりドラマらしい作品で、ますますイム・テヒョン監督の表現の幅に興味を持てる作品に仕上がっている。

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『遭遇』
 原題 遭遇/英題 Encounter/2010年
 監督 イム・テヒョン 主演 ミン・ジュンホ、ソン・イファン
 2012年7月7日(土)より、大阪シネ・ヌーヴォにて一週間限定上映
 公式ツイッター http://twitter.com/Encounter_ofcl

Reviewer's Profile
 mame。1983年、岡山県生まれ。2004年、韓国・弘益大学美術学部に交換留学。韓国映画は留学を決めるきっかけにもなった。専攻は木版画。現在は会社勤めをしながら作品制作を続けている。


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