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Interview 映画『福岡』撮影を終えたチャン・リュル監督 ~福岡の街と映画『福岡』に魂を奪われた

Text by 井上康子
通訳:文芝瑛
2018/10/8掲載



 映画『福岡』は、アジアフォーカス・福岡国際映画祭(以下、アジアフォーカス)常連のチャン監督が、福岡を気に入り、福岡で支援を受けて、2018年4月に福岡で撮影を終えたところだ。2010年に監督から「『福岡』というタイトルで映画を撮りたい」と伺ってから、いつか見ることができたらと願っていたので、2018年2月に『福岡』制作が具体化したと聞いたときは感無量の思いだった。今回のアジアフォーカス2018ではメイキングが上映された。ゲスト来福した監督に、映画制作が具体化するまでの経緯や撮影中のこと、映画にこめた思いなどを語ってもらった。

fukuoka_int1.jpg
『福岡』メイキング・イメージ

── 監督はアジアフォーカスに今回が6回目の来訪です。初参加2007年『風と砂の女』、2回目2009年『イリ』、3回目2010年『豆満江(とまんこう)』、4回目2014年『慶州』、5回目2017年『春の夢』上映時でした。2010年のインタビュー時に「『福岡』というタイトルで映画を撮りたい」とお話しでした。2014年のインタビューでも「福岡で映画を撮りたい」と発言されました。「福岡が好き」ということも聞いていましたが、福岡のどういうところが好きなのですか? また、いつから好きになったのでしょうか?

最初の来訪の時からです。開放感があって、様々な文化が触れあい、色々な人が仲良くしていると思いました。2007年に映画祭会場近くのお寿司屋さんに行った時にイカを注文したら品切れになっていたんですが、隣席の老人が「一緒に飲みましょう」と声をかけてくれて、ご馳走になり、イカも食べることができました。こういうことは、ソウルでも北京でも東京でもあり得ないことで、福岡を好きになりました。心が開かれていないと人に声をかけたりできません。初めて見る人には警戒心を持つのが普通でしょう。都市空間も食べ物がおいしいところも好きです。

── 2007年から映画を撮りたいと思っていたのですか?

映画には時間が必要です。この空間が好きになり、何回も来るうちにここで撮りたいと思うようになりました。徐々にそういう気持ちになりました。

── 「監督が福岡で撮る」と最初に聞いたときは特殊な映画になるだろうし、日本人俳優が出演する小さい規模の作品になるのだろうかと思ったのですが、クォン・ヘヒョさん、ユン・ジェムンさんというベテラン韓国人俳優が主演と知り、大規模な作品で韓国での公開を前提にしていると分かりました。具体化には資金調達などの問題があったと思うのですが。

「この映画を撮ろう」「福岡で撮ろう」という決定をして、最初に考えないといけないのは資金です。投資者を得られませんでした。これまで映画を作ってきて、初めて自腹で作りました。韓国の銀行でお金を借りて撮影したのです。来年公開されて、集客できなかったら、貧乏になってしまいます。考えてみると、福岡という街、『福岡』という映画に魂を奪われてしまったんですね。映画界では「映画監督は自腹で映画を撮るようになったら落ちぶれる」と言われていています。何で自分が銀行でお金を借りてまでこの映画を撮ったのか今でもわかりません(笑)。

── 自腹を切ってまでして撮ったとは驚きました!(小声で)銀行でいくら借りたんですか?

俳優さんたちはみんなノー・ギャラで出演してくれたので予算を明らかにするのは申し訳なくてできないのです。映画が成功すればギャラを支払えるのですが。皆さんの協力で撮影を終えられたのです。

── 『春の夢』に出演した、パク・ジョンボム監督、ユン・ジョンビン監督、ヤン・イクチュン監督たちなら、監督同士で協力ということもあってノー・ギャラで構わないということになるでしょうが、クォン・ヘヒョさんもユン・ジェムンさんもギャラの高い俳優で、そういう人がノー・ギャラで出演したというのは監督作品に出たいという気持ちからですね。

ギャラが生じればこの映画は完成できないということを了解して参加してくださったんだと思います。だからこの映画は必ず成功しなくてはならないんです。成功すれば参加してくれた俳優さんたちに恩返しができます。

── 主演3人、クォン・ヘヒョさん、ユン・ジェムンさん、パク・ソダムさんはどういうふうにキャスティングが決まったのですか。

ユン・ジェムンさん、パク・ソダムさんは『群山』(釜山国際映画祭2018上映作)に出演してもらい、撮影時に「次回作にも喜んで出る」と言ってくれていました。クォン・ヘヒョさんには釜山国際映画祭2017のお酒を飲む場で挨拶をした時に「監督の映画に出たい」と言われ、言葉だけかもしれないと思っていましたが、連絡したら「喜んで出演する」と言ってくれました。

── 皆さん、監督の映画に出たいという気持ちで、監督の力ですね。クォン・ヘヒョさんが居酒屋主人、ユン・ジェムンさんが古書店主というのは監督らしい渋い設定ですね。

本を読むことも、お酒を飲むことも好きなので(笑)。

── 福岡からは山本由貴さんがキャスティングされていますね。

『福岡』プロデューサーの西谷郁さん(アジアフォーカス・プログラマー)が同じくプロデュースした『ある女工記』(アジアフォーカス2016上映作)に出演しているのを見て良い印象があり、実際に会って決定しました。

── 撮影中の苦労をメイキング上映後のトークでスタッフが語っていましたが、監督の立場で撮影中の苦労はありましたか。

メイキングを見て、大変だったんだと初めて知りました。監督は創作のことしか考えていません。スタッフもいちいち監督に報告はしませんし、苦労なく幸福に撮影していたので驚きました。そういう風に見ると監督は性格の悪い人間が適しています。他の人の状況に鈍いくらい自分勝手な人が向いているのでしょう(笑)。

── 映画のストーリーですが、学生時代に親友と仲違いした古書店主が、そのことを悔やみ、福岡に住む元親友の居酒屋主人を訪ねるというのは、変わっていないのでしょうか。監督が年を重ね、悔やんだことをやり直したいというような気持を映画に反映させたのかもしれないと思いました。

ストーリーはそのままです。自分のことではなく、周囲を見てそういう人が多いと思いました。みんな後悔や反省をしながら生きていますが、過去に戻れるとしても、また同じような判断をしたり、失敗をしたりするものです。やり直すというより、もう1回機会を持つということに意味があると思います。

── 「福岡三部作として次は『柳川』で撮る」という話が西谷さんからありましたが、具体化しているのでしょうか?

『柳川』は半分冗談です。でも冗談が現実になることもありますよね。釜山国際映画祭2018のAPM(映画企画を持っている人と投資家が会する場)で投資が得られれば、撮影ができます。また、『福岡』が大成功して資金を回収できれば『柳川』が撮れます。そういう展望が見えますか?

── 見えます!



 来年は編集を終えた『福岡』を拝見できるそうだ。監督が福岡で受けたインスピレーションによって福岡がどのように描かれているのだろうか。見せてもらうのを心待ちにしている。『柳川』も見たい。

fukuoka_int2.jpg
チャン・リュル監督


アジアフォーカス・福岡国際映画祭2018
 期間:2018年9月14日(金)~9月23日(日)
 会場:キャナルシティ博多(ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13)
 公式サイト http://www.focus-on-asia.com/

Writer's Note
 井上康子。『福岡』のロケ地は、チャン・リュル監督がアジアフォーカス来訪時に散策した場所が選ばれている。六軒屋公園は地元の人もあまり知らない、小さな公園だった。そこからロケ協力をした中華料理店に行き、お昼を食べた。小さい中華屋さんの味は化学調味料の味でなく、手作りの味で毎日通いたいくらい、おいしかった。


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